【〆麺】渋谷の喧騒を離れ、大人のグルメスポット・裏渋谷の牡蠣ラーメンで活力を得る。

この記事は4分で読めます。

【〆麺】渋谷の喧騒を離れ、大人のグルメスポット・裏渋谷の牡蠣ラーメンで活力を得る。渋谷系、ガングロ、ルーズソックス、センターGUY、ギャルサー……多くの若者文化を発信してきた渋谷。すでに文化の中心地としては成熟してしまった感のあるこの街だが、それでも人の多さは変わらない。観光客の増加に伴い、主にアジア圏の人々も急激に増えたように感じる。

普段なら、なるべく近寄らない街のひとつなのだが、今日は仕事相手に呼び出され、渋谷の喫茶店でコーヒーを飲みながら打ち合わせをすることになった。Web系の制作会社が多くオフィスを構えている関係で、どうしても定期的に来ざるを得ないのだ。

さほど日にちを空けず訪れているはずなのに、この街の変化はめまぐるしい。つい先日まであったコーヒー屋があっという間に居酒屋になり、オシャレなバルはそのままフリースペースに。何よりも、まるで生き物のように姿を変えていく「渋谷駅」という存在そのものが、この街の象徴なのかもしれない。

すっかり様変わりしてしまった銀座線のホームを降り、道玄坂方面に抜けようとしたところ、いつもと違う道を歩いていることに気がついた。ホームの位置も動いたのだった。JRの横を抜けてマークシティ方面へと向かう。人の波に溺れそうになる。耐えきれずエスカレータを降り、すぐ近くにある行きつけの喫茶店に入った。周辺に数店舗を構える「喫茶トップ」。今どき珍しい、全席喫煙可の古めかしい喫茶店だ。

ここに来ると、自分が今、若者の街にいることを忘れてしまう。それほど、スーツを着たサラリーマンが多い。決して静かではないが、うるさくもない。このくらいが、打ち合わせにはちょうどいい。仕事相手に連絡をし、タバコに火を点ける。ふうっと吐き出す息とともに、緊張がほぐれていった。

渋谷

時間きっかりに現れた仕事相手と次の案件の打ち合わせを終えると、すでに日が傾き始めていた。一刻も早くこの喧騒から離れたい。そうだ。今日は神泉方面に行ってみよう。

道玄坂を少し上って右に入ると、ホテル街があるのは有名だ。しかし同時に、このエリアは美味い飯を食わせる昔ながらの店が多いことでも知られている。もう少し神泉駅方面へと進んでいくと、ちょっとした商店街があり、居酒屋も多い。今日はとことん腹が減ったので、中華でも食べるか。

中国人が経営する中華屋は、ボリュームたっぷりの定食が1000円以下で食べられる。日替わり定食の種類も多く、何を食べるか悩んだときは、とりあえずここに来ればどうにかなる。注文したビールと定食は、腹を満たすのに十分すぎるほどの量だった。付け合せの小鉢をつまみにちびちび飲んでいると、団体の予約が入っていたようで、急に慌ただしくなってきた。
店員の視線も痛くなってきたことだし、近場で〆るとしようか。

 

本日の〆麺

中華屋をさらに奥に進むと、雑居ビルの合間に飲食店が点在している。その中の1軒が『鶏そば Tonari』だ。

名前のごとく、丁寧に下ごしらえした美しい鶏スープが楽しめるラーメン店。初めての人はまず、白醤油鶏そばを頼めばいい。上品に透き通ったスープは、まるで塩ラーメン。淡麗系の最高峰と言えよう。コシのあるストレートの細麺にしっとりした鶏チャーシューとカイワレ、白ネギが乗った繊細なビジュアルも、高級感がある。

煮干しの気分であれば、黒醤油煮干し鶏そば。濃い灰色のスープは、見た目どおりパンチの効いた煮干し出汁。しかし、臭みやエグみが一切ない。やはり上品である。

そのほかにも、旬の素材を使った限定ラーメンが定期的にラインナップされる。どれも既存のスープにうまく素材を組み合わせ、絶妙なスープを作り上げているのが興味深い。

牡蠣ラーメン

【ラーメンDATA】
鶏そば・ラーメン Tonari
[食べログ]
営業時間

[月~土] 12:00~22:30 (スープ無くなり次第終了)
日祝定休

牡蠣ラーメン
1,000円

 

しかし、私がここで一番気に入っているのは「牡蠣ラーメン」。たっぷりの牡蠣に牡蠣しょう油の甘みがたまらない。ぷりぷりの牡蠣だけでなく、牡蠣あんを包んだワンタンを乗せているのも高評価。この牡蠣ワンタン、別皿で頼みたくなるほど旨味が詰まった逸品だ。ほどよく満たされた腹にも、スルスルと流れ込んでいく。

牡蠣にはスタミナの素、亜鉛が多く含まれているという。再び渋谷の喧騒へと挑む活力を得て、席を立った。

ごちそうさまでした。

渋谷エリアのガールズバーはこちら

 

ライターT氏
フリーライター歴12年。酒と煙草とハードボイルドをこよなく愛する40代。基本的に頼まれた仕事は断らないスタンスで、フットワークの軽さを武器に、グルメからギャンブル、芸能関係までジャンルレスで活躍している。取材先で食べるご当地グルメと酒、〆のラーメンが何よりも楽しみ。最近、少しだけ血糖値が気になり始めた。憧れの人は「孤独のグルメ」の井之頭五郎。

 

  • 日間
  • 週間
  • 月間