日本最北の大繁華街・札幌(後編)。慣れない土地で救われた、熱々の味噌ラーメンの思い出

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日本最北の大繁華街・札幌(前編)。慣れない土地で救われた、熱々の味噌ラーメンの思い出

日本最北の大繁華街・札幌(後編)。慣れない土地で救われた、熱々の味噌ラーメンの思い出

昨日はしこたま飲みすぎた。1週間近くに及ぶ札幌での取材も終わり、最後の晩餐とばかりに派手に飲み食いをしたのだ。なんとなく重い頭を抱えながら、荷物をまとめる。チェックアウトまであと少し。まだやらなくてはいけないことがある。
外に出ると、札幌は今日もどんよりとした曇り空だった。この1週間、ほとんど毎日、雪。北国なのだ。そんなもんだろう。しかし、ちらつく程度の細かい雪がほとんどだったので、道にはそこまで降り積もってはいない。持参したブーツで十分にあるける程度だ。

外に出ると、札幌は今日もどんよりとした曇り空だった。

外に出ると、札幌は今日もどんよりとした曇り空だった。

札幌で1,2を争う高評価店

今日の目的地は『彩未』。ラーメンのメッカとも言うべき札幌で、1,2を争う高評価を得ている店だ。もともとは『すみれ』で修行した店主が暖簾分けで店を構えたらしい。
目的地はすすきのから地下鉄で数駅、美園駅から徒歩3分ほどの場所にある。今回は徒歩や車での移動が中心だったので、地下鉄を利用するのは初めてだ。以前乗ったときは、日本ハムファイターズ仕様の車両が走っていた。今回は残念ながら目にすることはできなかったが。

日本ハムファイターズ仕様の車両が走っていた。

日本ハムファイターズ仕様の車両が走っていた。

すでに20人を超える行列が

美園駅を降りると、まだ中心部のような都会的な香りは残っていたが、住宅街がメインを占めるエリアだった。普通なら観光客が訪れるような場所ではないが、街を歩く人たちは余所者を見慣れた様子ですれ違う。恐らく、『彩未』に向かう人が多いのだろう。
少し開けた場所に、不釣り合いな人だかりが見えた。あれが『彩未』だ。到着は10時45分。開店は11時。すでに20人を超える行列ができている。期待に胸を膨らませながら、その後ろについた。
開店まで15分、店内に通されるまで約30分。待合スペースは意外に広く、さらにそこから席に通されるまで15分ほどを要した。席についたときの、なんとも言えない期待感。そして、オーダーをしたあとは、子供のように純粋な気持ちで着丼を待つ。テーブル席もいくつかあるが、基本はカウンター。厨房の様子がよく見える。

スープはとにかく優しい

5分ほどで運ばれてきたラーメンを見たとき、一種の感動を覚えた。なんと良い香りなのだろう。味噌ラーメンながらも、スープは濃い茶ではなくベージュ色。見た目からも上品さが伝わってくる。さらに、おなじみの中太縮れ麺はスープの脂がよく絡んで黄金色に光っている。具材は炒めた野菜にネギ、チャーシュー。その上に乗せられた生姜を少しずつ溶かしながら食べるのがいいようだ。
まずはスープをひと口。うまい。最近はやたらと塩気の強いラーメンが増えているが、飲みの〆には最適なものの、昼間に食すには胃もたれがする。その点、ここのスープはとにかく優しい。深みはあるのに、あっさりとマイルド。もちろん、豚骨の臭みなど一切感じさせない。二日酔いでもたれた胃をじんわりと温めてくれる。
野菜も歯ごたえをしっかり残しつつ、青臭さは感じさせない絶妙の温度感。チャーシューも控えめな味付け。具材がスープの邪魔をせず、スープにより深い味わいをもたらしてくれる素晴らしいバランス。こんなにうまいラーメンを食べたことがない。どこにも属さない、オリジナルの味噌ラーメン。さすが、地元民からも高評価を受ける店だけある。
大事に大事にスープを飲み干し、丼の中に少しも後悔を残すことなく完食した。

なんと良い香りなのだろう。味噌ラーメンながらも、スープは濃い茶ではなくベージュ色。

なんと良い香りなのだろう。味噌ラーメンながらも、スープは濃い茶ではなくベージュ色。

ごちそうさまでした。

【DATA】
味噌らーめん
800円

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