「とりあえずビールで乾杯」は日本だけ?!日本と海外の乾杯の風習やお酒のマナーを比較

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「とりあえずビールで乾杯」は日本だけ?!日本と海外の乾杯の風習やお酒のマナーを比較

日本には「とりあえずビール」という風習がありますよね。しかし、海外での乾杯の風習やお酒の作法、マナーは日本とは違うようです。
今回は、日本と海外の国を比較して、乾杯の風習やお酒の作法、マナーをご紹介します。

 

日本の乾杯の風習はお酒の種類によって違う?

まずは、日本における乾杯の風習やマナーをおさらいしましょう。

乾杯の風習やマナー①
ビールの場合

日本では、「とりあえずビール」という言葉があるように、ビールが苦手な人であっても最初の1杯だけはビールで乾杯をするのが風習となっています。ビールで乾杯をする時に注意すべきマナーは次の3つです。

  • ビール瓶はラベルを上にして注ぐ
  • 注いでもらうときは両手でグラスを持つ
  • 乾杯の際は目上の人のグラスが上に来るようにする

また、目上の人のグラスのビールが少なくなっていたら、声掛けをして注ぐようにしましょう。

乾杯の風習やマナー②
日本酒の場合

続いては、日本酒を飲むと時のマナーについてご紹介します。注意すべきマナーは次の3つです。

  • 注ぐときは右手の甲を上にして徳利のはらを持ち、左手を添える
  • 注いでもらうときは両手でお猪口を持つ
  • 注いでもらったら、必ず口をつける(但し、飲み干さない)

日本酒の場合は、相手に注ぐときにも注いでもらうときにも、机にお猪口を置いたままにするのはタブーとされています。
また、注いでもらったら必ず一口目を頂き、一気に飲み干すのではなく「少量、多め、少量」の3回に分けて飲むと美しいでしょう。

乾杯の風習やマナー③
ワインの場合

イタリアン料理を食べるときや、結婚式の披露宴などではワインで乾杯をする機会もあるでしょう。
ワインを飲むときには、次のマナーに注意しましょう。

  • ワインボトルのラベルを上にして注ぐ
  • 注いでもらうときは、ワイングラスを持たない(テーブルに置いたまま)
  • グラスの脚をもち、香りを愉しんでから、舌の上を転がすように飲む

ワインの場合は、グラスを持って注がれるのを待つのはタブー視されています。

 

海外の乾杯マナーとは?どんなお酒で乾杯するの?

日本ではビールで乾杯することが多いですが、海外では、乾杯の際にどのようなお酒が飲まれているのか気になりますよね。
各国の乾杯マナーと共にみていきます。

海外の乾杯の風習やマナー①
韓国

韓国では、日本と同じようにビールも飲まれていますが、日本のように「乾杯の時はとりあえずビール」というわけではありません。
ソジュと呼ばれる焼酎を小さいグラスに注いで乾杯するというマナーがあるようです。

さらに、韓国でのお酒の席では次のようなマナーに気をつけましょう。

  • お酒の杯を渡す、受けとる時は、必ず右手を使う
  • お酒を注ぐときも必ず右手を使い、左手は右腕に添える
  • 目上の人とお酒を飲むときは、顔を横に向ける

海外の乾杯の風習やマナー②
中国

中国で乾杯のときに飲まれるお酒には、紹興酒に代表される黄酒(米が原料の醸造酒)と白酒(トウモロコシなどが原料の蒸留酒)があります。
白酒はアルコール度数が50度を超えるものもあるため、お酒に弱い人は注意しましょう。

中国では、お酒の席で次のようなマナーに気をつけましょう。

  • 乾杯の後は一気飲みする(干杯)
  • みんなで楽しむのが原則

アルコール度数が高いお酒を一気飲みするのは非常に辛いですが、中国の人にとって、飲み干すことは敬意を表す意味があるそうです。
また、お酒の席はコミュニケーションを積極的にとる場所とされているので、「みんなと楽しみたい」という態度を見せることが重要になります。

海外の乾杯の風習やマナー③
台湾

台湾では、日本と同じようにビールが好まれて飲まれているようです。また、ワインも人気があり、紹興酒で乾杯するケースはそこまで多くないようです。

台湾も中国と同じように、乾杯の後には一気飲みをするというマナーがあります。また、台湾ではお酒は自分で注ぐのが通例のようで、相手のグラスが空になっていても、注ぐ必要はありません。

海外の乾杯の風習やマナー④
イタリア

イタリアはイメージ通り、ワインで乾杯をする場合が多いです。日本での乾杯マナーと基本的には同じですが、さらに次のような点にも注意すると良いでしょう。

  • ワインは必ずスタッフに注いでもらう
  • ワイングラスの脚は「親指」「人差し指」「中指」の3本で持つ
  • ワイングラスに口紅がついたら指先で拭う

もし口紅がワイングラスについてしまったら、ナプキンではなく自分の指で拭いましょう。

指先をナプキンで拭うのはOKです。

海外の乾杯の風習やマナー⑤
フランス

フランスも、イタリアと同じくワインでの乾杯が多いです。乾杯の挨拶として用いられている、「Santé !(サンテ)」という言葉には「健康」という意味があります。お互いの健康を願って乾杯しているのですね。

フランスでの乾杯の際は、次のようなマナーに気を配りましょう。

  • グラスは軽くつける(音を鳴らさない)
  • 乾杯する相手の目をみる
  • 斜向かいの人と乾杯するときに、他の人達と手を交差させない

海外の乾杯の風習やマナー⑥
アメリカ

アメリカも日本と同じようにビールで乾杯をする人が多いようです。日本と異なるのは、次の2点でしょうか。

  • 乾杯のあいさつは着席したまま
  • グラスを合わせない

アメリカの乾杯は、「Cheers(チアーズ)」と言ってグラスを目の高さぐらいに持ち上げるだけ。他の人とグラスを合わせることはありません。

ちなみに、アメリカ人は日本人のように深酒をしません。特に平日に飲んでいるビジネスマンたちは、家族と過ごす時間のために早く帰るので、ハッピーアワー(17時~19時)を過ぎると帰宅します。アメリカの飲食店で周りを眺めてみても、日本のような「酔っ払い」は見当たらないのではないでしょうか。

 

ちなみに…乾杯の挨拶にもマナーがある?

ここで簡単に、ビジネスシーンにおける乾杯の挨拶について、そのマナーをご紹介します。

乾杯の挨拶は3番目に役職が高い人が行う

ビジネスの飲み会には、開宴の挨拶、はじめの挨拶、乾杯の挨拶、締めのあいさつの4つがあります。
一般的に、次のように担当する人を決めています。

  • 開宴の挨拶:司会進行を務める人(幹事)
  • 初めの挨拶:最も役職が高い人
  • 乾杯の挨拶:3番目に役職が高い人
  • 締めの挨拶:2番目に役職が高い人

乾杯の挨拶は短めに!

乾杯の挨拶は、グラスにビールが注がれた状態で行うため、ビールの泡が消えないように短めの挨拶にすることが好ましいでしょう。
幹事として挨拶を依頼する際も、短くて構わない旨を伝えておくと良いかもしれませんね。

 

番外編!日本のビールに対する海外の反応は?

実は、日本のビールは海外でも人気があります。

日本でお馴染みのキリンの一番搾りは世界の40の国と地域で販売されています。
外国人旅行客は、居酒屋でも日本式の乾杯「とりあえずビール!」を実践することも多いようですよ。

 

最後に

日本では乾杯の際に「とりあえずビール」が通例となっていますが、世界の国々では様々なお酒で乾杯が行われています。お酒の席でのマナーも国ごとに異なるので、ビジネスで海外の人と飲み会をする際にはその国のマナーを遵守する必要があるでしょう。

お酒は楽しく飲むのが一番ですが、ビジネスにおいてはマナーも大切です。お互いが気持ちよく過ごせるように、最低限のマナーは守りましょう。

 

以上、海外でも1杯目は「とりあえずビール」?海外の乾杯はビールじゃなくて〇〇だった!…という話題でした!

 

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